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【アイデア作り③】アイデアはどこまで考えこめばいいのか?【ステップ2:試行錯誤】

2021.11.17

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アイデアとは「組み合わせ」

「アイデア作りは、カクテルを作るようなもの」とは、外山滋比古氏の言葉です。要するに、アイデアもカクテルも単体の要素・材料だけでは新しいものは生まれないので、いくつかの要素・材料を混ぜ合わせる必要があるという事です。

今回はアイデアづくりのステップ②「集めた情報をいかに組み合わせるか」について解説します。

どれだけ試行錯誤すればいいのか?

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 実は、新しく何かを思いつこうとする際の脳の働きは、自然と組み合わせの試行錯誤をしています。ここで肝心なのは、「どれくらいの時間と労力をかけて考えればよいのか?」なのです。

簡単にまとめると、この4段階を行えば完了です。

1.もう限界だと感じるまで考え抜く

2.完全に嫌気がさして一旦放り出す

3.心の体力が回復して、再度取り組む

4.完全にやりつくして限界になり絶望する

「嫌気」と言う言葉がある通り、このステップ②は苦行です。

しかし「パッと思いついたアイデアは、簡単に思いつく程度なので、他の誰かがすでに思いついている」という言葉があります。

この言葉は、アイデアを作る上で肝に銘じておく必要があります。なぜなら、初めに浮かんでくるアイデアは、客観的に見て質の低いありきたりなものばかりなのです。しかし困ったことに、自分で作ったアイデアは「これはいいことを思いついた!」と興奮状態の中で評価をされるため、正しく価値があるのか判断できないものなのです。

「上手にアイデアを組み合わせるコツ」はある?

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 このステップは、時間がかかる上に地道な努力がものをいうため、繰り返し練習になりますが、ここで「やわらかい頭で上手にアイデアを組み合わせるコツ」を1つ、科学研究から紹介いたします。

 スタンフォード大学で創造性に関する研究を行っているジャスティン・バーグ氏によれば「全く新しい枠組みや奇抜な物を出発点に創作することがオリジナリティのカギ」とのことです。

簡単に言い換えれば、共通点がなさそうな、思いがけないもの同士を組み合わせてみましょうと言う意味です。

実際の研究例では、『就職面接を乗り切るための新しい製品』を設計する実験を行ったのですが、最初のアイデアの出発点に「A:三角バインダーなど就職面接やオフィスになじみのある物」と「B:ローラースケートなど奇抜な物」の2種類を用意しました。そうすると、Aのなじみのある出発点に比べて、Bのローラースケートからスタートした場合の方が、圧倒的に独創的で質の高い製品が設計されたという結果になったのです。

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 人間は同じことを考え続けると、間違い探しで1度見たところを再確認するように、思考のループに囚われてしまいます。そんな時に心機一転、奇抜なものと組み合わせてみるとグッと新しいアイデアが思いついてきます。

前回の記事で、①の情報と②の情報を区別した理由も、2つを掛け合わせるからこそ良いアイデアを多く作ることが出来る為なのです。

 ここまでのステップを行えば、実はやることの9割が終わったも同然です。次回からは、人間の秘められた能力を利用したステップを紹介していきます。

(今回の主な参考文献)

『アイデアのつくり方』ジェームス・W・ヤング著,1988年,CCCメディアハウス

『ORIGINALS』アダム・グラント著,2016年,三笠書房