石井経営グループ様では、今後の事業展開を見据え、経営基盤の構築に取り組まれています。移り行く時代の変化に対応し、成長スピードを早めるための組織作りを行われています。石井経営グループ代表 石井所長にお話を伺いました。
課題・背景
規模が大きくなるにつれて、現状の組織や業務の内容が追い付いていない部分がありました。今後、企業としての成長を続けスピードを早めるためには、社内の体制づくりや人材育成、組織の基盤づくりに注力していくべきだと考えました。また、時代に合わせてM&A等にも対応できる組織作りをしたいと考えました。
取り組みと成果
①管理人財(管理職)の成長:月に1回の業務改善会議にて、自らの意見が出てくるようになりました。今後、直線的な成長ではなく、曲線的な成長が期待できると感じています。
②サービスの質の向上:マニュアル化や効率化により、経験年数に関係なく、より良い品質をお客様に提供することが可能になりました。
③業務効率の改善:業務の見直しにより、業務効率が最適化されました。
「組織が成長しつづけるための経営基盤作りを」
中小零細企業からスタートし、今年30周年を迎えました。組織は大きくなってきており、世間の認知もだんだんと高まってきました。しかし、営業優先で拡張を進めてきましたので、会社の所帯の割には社内の教育制度や諸制度の整備が遅れており、マニュアルやスタンダードが整備されていない状態でした。それが、ミスやクレームにつながることもありました。
また、人材育成については、中途採用を中心に採用を進めてきましたが、価値観教育とテクニカル教育が不足しており、成長スピードを十分に早められていないと感じていました。少人数のうちはOJTで育成を行ってきましたが、人数が増えてくると、OJTだけでは、間に合わなくなってきました。成長の限界を感じ、原因を振りかえると、業務の標準作成、マニュアル化などの組織基盤の整備が不十分だったと考えました。そこから、「品質マネジメントシステムの構築」に力を入れることにしました。
「成長し続ける企業であるために」
今後30年の展開を考えると、サービスを充実させ、人員も増やし、100人以上の規模の組織を目指したいと思っています。地域で成長し、貢献していくことはもちろんですが、人口減などの影響による地域経済の発展の限界も感じており、事務所としての成長を維持するためには、M&A等も選択肢に入ってくるのではないかと考えています。今回の組織基盤を整える取り組みは、そのようなときの準備でもあります。
「お客様の満足を高めるサービスを提供し続けるには」
環境に変化に対応し、常にお客様にとってベストなサービスを対応していきたいという思いがあります。それを実現するためには、規模が大きくなってくると、管理(マネジメント)人財を充実させることが必須となってきます。ですので、このプロジェクトでは、多くの管理職(管理職候補)に参加してもらっています。各々が、成長につながる仕事を行い、組織基盤を強くする活動をしております。また、教育・昇格の制度に関しても目標が明確になっていて継続性・再現性がある状態を作ろうとしています。
質のよいサービスを提供するための品質マネジメントシステムの構築
既存業務の見直しを行い、業務の標準化・効率化を実施しています。具体的には、営業活動・品質活動・総務業務の3つに分類し、実施項目(TASK)について、質のよいサービスを提供するための、改善・見直しを行い、標準的な社内マニュアルを作成。これにより、社歴(経験年数)に関係なく、よりよい品質をお客様に提供することが可能になります。プロジェクトを管理するにあたり、ISO規格にのっとった品質目標を設定し、より質・精度の高いプロジェクト活動を実施しています。
また、人財育成に力を入れ、特に管理人財(管理職)の育成に力を注いでいます。
「役職に応じた役割を意識した活動を」
仕事の質を向上させるため、自身の役割を意識した仕事の取り組み方ができるように工夫しています。部長・課長に対しては、従来は現場の業務管理が中心でしたが、自然と目線を上げる仕組みを作っています。例えば、「戦術立案のウェイトを業務割合の30%へもっていく」など具体的な内容でチェックリストを作り、月に一回提出する機会を作っています。内容は一定ではなく、状態に応じて、変更しています。
目線を上げ、互い視座をもってアウトプットする(成果をだしていく)ためには、インプットも重要になるので、勉強の意識や普段の業務についての意識も高まっていると感じています。
「やりがいをモチベーションに」
忙しい中でも、学び、成長をするためには、モチベーションの維持が重要になります。成果に応じてボーナス等があるので、金銭的なモチベーションもあると思います。しかし、それだけではなく、よりよいソリューションを提供することでお客様の役に立っていることを実感し、それにやりがいに感じて頑張ってくれているという側面が大きいと思います。
ですので、私たちの仕事の社会的意義について、社員の皆と共有することを大切にしています。年に1度の経営方針発表の際に伝えるのはもちろんですが、毎朝経営改革書の読み合わせをしたり、会議の中で成果やその意義について共有したりしているので、全員によく伝わっていると思います。
「将来に必要な投資を」
課題を解決するための情報収集や知識をインプットすることにも力をいれています。進んでいる事務所にキャッチアップできるよう、先進的な取り組みをしている会計事務所と提携しており、情報共有を行い、よいことは真似て、取り入れています。多くの社員がそれらの情報に触れ、学べる環境にしているので、会議の際に意見交換をすることもよくあります。また、ZOOMで研修を受けることができるように設備投資もしました。
「管理職の行動変化」
役割を意識した活動やその管理を続けていく中で、少しずつ変化がおこっています。業務改善について、月1回のリーダー会議を実施しているのですが、以前は意見が出てくることが少なかったですが、今は下からの意見もでてくるようになりました。時代の変化に適応するために、皆が日々学んでいます。直線的で急激な成長は難しいと思いますが、日々学びと改善をつづけることで2,3年のうちに曲線的な成長があることを期待しています。
「品質改善につながる販売フローを確立」
営業に関しては、お客様の声を聴き、お客様に喜んでいただくことを最も重視していますが、戦略商品を定めて、ゴール商品に結びつけるという営業フローを1年間実行し、確立してきました。その中で、品質を維持・向上するために様々なルールを作成しています。例えば、どのような流れで業務を行うべきか、お客様の満足を高めるために実施すべきポイントや、納期や顧客対応の決まりなどです。そして、それを実行していくための役割分担やフォローアップ体制などを整えています。
また、お客様の要望に応じて、時代の流れに適合した商品(ZOOMセミナーの展開、やクラウド会計システム(巡回監査からの訪問をしないで、クラウド上で対応可能)の導入もすすめています。
「品質の向上と均一化」
品質に関しては、サービスの改善や品質の均一化を進めてきています。基本サービスの中では月次監査報告、決算前検討会、決算申告報告会が顧問業務の中の1年間の中での大きな業務なのですが、決算前検討会では、経営改善計画を進めるための簡易的な予実シュミレーションを加えるというサービスを追加しました。
さらに、決算報告会においては、決算の内容と税務申告のポイントに加えて株価評価や経営改善計画の必要性の提案を付け加えるようにしています。決算報告書の内容は毎年改良していますが、実務の中で多くの改善を実施していっています。
また、担当者の経験や能力の差によって、サービスの品質が変わらないような仕組みも作っています。例えば、月次報告の中では経営改善のヒントを記載しているマネジメントレターという資料をお客様へ向けて作成しているですが、経験の少ない担当者でもコメントがだせるように、アドバイスのテンプレートを作成しました。
「成長を続ける組織の強い基盤を」
弊社としては、採用を続け、人員を増やしていく方針です。そうなると、採用後に教育制度がないとうまく稼働できないので、教育制度の整備も進めています。具体的には、弊社の業務に必要なスキルを見える化し、それを身に着けていくための教育のPDCAを設計していきます。このプロジェクトで、成長を続ける組織の基盤ができると思います。
「お客様の声により応えられる企業へ」
創業以来、よりお客様に支持される企業を目指し、お客様の声を取り入れてきた結果、基本サービス以外の専門サービスも追加してきました。その結果、今では1社あたりの取引金額は平均的な会計事務所のものと比べ、1.5倍ほどになっています。基本サービスを土台にして、専門的なサービスも加えていきながら、成長を続けていきたいと思います。
多くのお客様に支持される中国地方No.1の事務所を作っていきたいと考えております。
会社名 | 石井経営グループ(税理士法人石井会計、株式会社石井経営、株式会社岡山M&Aセンター、石井公認会計士事務所) |
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代表者 | 公認会計士・税理士 石井栄一 |
設立 | 平成3年7月 |
所在地 | [本社] 〒700-0975 岡山市北区今八丁目11番10号 [東京事務所] 〒103-0022 東京都中央区日本橋室町4-6-2 菱華ビル7階 |
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