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「今だから」組織開発に中小企業は取り組むべき。【人材育成のタネ,vol.16】

2023.07.11

  • 人材育成のタネ
  • 竹本塾・竹本図書館

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そもそも「組織開発」とは?

 

従業員同士の関係性への働きかけや、相互作用によって組織の成長を図っていく「組織開発」。これは、「グローバル人材の育成」「管理職の強化」「女性従業員の活躍支援」「若手従業員の早期戦力化」といった日本企業の抱える課題を解決する方法・取り組みの一つとして、注目されています。

 

組織開発とは、人と人との関係性の変化や、相互作用により、組織を変化させていくという考え方のことです。

人事領域では、従業員同士の関係性に働きかけることで組織を活性化し、一人一人の能力を引き出そうとするアプローチを指します。組織開発を行うことで、「組織を取り巻く環境の変化に対応する」「組織としてのパフォーマンスを向上させる」「従業員の主体性を引き出し、組織を変化させていく」などの効果が期待できます。

 

組織開発の目的は、組織が環境に適合しながら変化し、健全かつ効果的に機能することです。

広義の意味では、「集団のシナジー効果が高まるような組織をつくり、従業員一人一人のモチベーションを高め、生産性向上につなげていくこと」とも言えます。

 

 

 

 

組織開発と人材育成とのちがいとは?

 

よく、組織開発と人材育成はどう違うのか?と問われることがあります。

人材育成とは、個人の能力を高めることで組織の成長を図るという考え方です。

人材育成と組織開発はよく対比して考えられますが、両者には「取り扱う対象」に違いがあります。人材育成の対象は従業員などの「人」であるのに対し、組織開発の対象は人と人との「関係性」や「相互作用」です。また、「原因がどこにあるか」に対する考え方も違うため、課題に対するアプローチも変わります。

例えば、「若手従業員の早期戦力化」という課題があったとします。人材育成のアプローチは、まず若手従業員に原因があるととらえるため、本人に対する育成施策を講じるのが一般的です。その結果、「人の育成を通じた早期戦力化」に取り組みます。

 

一方、組織開発のアプローチは、本人と上司や職場の同僚との関係性に原因があるととらえ、その関係性の改善を図るものです。

組織開発では、「本人と上司の間で期待する役割認識や成長課題に相違がないか」「本人と職場の同僚との間で十分な協力関係が築けているか」といったことを改善すべき課題ととらえます。これらの課題に対して、上司や同僚との関係性に良い変化を起こすためのミーティングやワークショップの機会を設けるなど、「早期戦力化ができる職場づくり」に取り組みます。

 

このように、同じ「若手従業員の早期戦力化」という課題であっても、人材育成と組織開発ではアプローチの方法が違います。しかし、アプローチが違うからこそ異なる解決策が生まれ、組織の抱えるさまざまな課題に対応しやすくなるのです。近年よく利用される組織開発のフレームワークがありますので、ご紹介します。

 

 

 

組織開発のフレームワーク2選

 

①ミッション・ビジョン・バリュー

 

ミッション・ビジョン・バリューとは、組織を成長させる礎となる「企業理念」を構成する3つの要素のことです。

組織の存在意義(ミッション)、組織が目指す姿(ビジョン)、価値観・行動指針(バリュー)を定義するフレームワークで、頭文字から「MVV」とも呼ばれています。組織の存在意義を明確にすることで、組織のメンバーの帰属意識を高めたり、意思決定を行いやすくなったりします。また、企業が掲げるミッション・ビジョン・バリューを浸透させることで、組織開発を進めやすくなります。

 

 

②OKR

 

OKR(オーケーアール)とは、「Objectives and Key Results」の略で、目標管理方法の一つです。

「企業」「チーム」「個人」の目標がリンクすることで、同じ目標に向かって計画を進められることを目的としています。OKRを作成する際のポイントは、挑戦的・野心的な目標や、確実に実現できそうなレベルより1段階上の「ストレッチゴール」を設定することです。OKRを導入することで、「企業と従業員のベクトルの一致」「取り組むべき課題の明確化」などの効果が期待できます。

フリマアプリ「mercari(メルカリ)」を運営する株式会社メルカリでは、同社が掲げるバリューの実現のためにOKRを実施しています。同社には、「Go Bold(大胆にやろう)」「All for One(全ては成功のために)」「Be a Pro(プロフェッショナルであれ)」という3つのバリューがありますが、その一つ「All for One」を実現する手段の一つがOKRです。会社や事業の成功を目指す「OKR」と、全社共通の価値観である「Value」の2つの軸で「All for One」の達成状況を確認しています。「一人一人のパフォーマンスを評価したい」という目的で、個人やチームを成長させる仕組みとして導入されたOKRは、同社のカルチャーにもマッチして定着しているようです。

 

今だからこそ、組織と人の両面(2軸)で基盤整備をしなくてはなりません。組織と人あっての事業なのですから。

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