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「部下を潰す上司」の4つの特徴【人材育成のタネ,vol.9】
2023.03.07
- 人材育成のタネ
- 竹本塾・竹本図書館
こんな人の下では働く気力が湧かない…
「あの人の部下になって、大変な目に遭った」
「あの人の部下にだけはなりたくない」
誰しも、そんなことを思ったことがあるのではないでしょうか。しかし、当の本人はそう思われているとは気づいていないもの。もしかすると、あなた自身も思われているかもしれません。まず知っておいてもらいたいことは、メンタル不調者や離職者が続出する職場には、「問題のある上司がいる確率が高い」ということです。部下のメンタル不調の原因となる上司には、二つのタイプがあります。
1.マネジメントスキルの不足
一つは、マネジメントスキルが不足している上司です。この場合は、本人が経験を積み、会社がマネジメントの知識などをインプットする教育機会の提供(研修受講など)のバックアップすることで、解決することができます。
2.本人のパーソナリティの問題
厄介なのは、もう一つのタイプである、本人のパーソナリティに問題のある上司です。パーソナリティは、生まれ持った性格傾向に加え、成育歴や育った環境などを背景に構築されていくものなので、そう簡単に変えられるものではありません。「パワハラ上司」と呼ばれる人の大半がパーソナリティに根差した問題を抱えていますが、本人は無自覚だったり、罪悪感が欠如したりしているために、部下のメンタルヘルスに深刻な影響を与えているのです。
問題のある上司の4つのタイプ
パーソナリティに問題のある上司には、いくつかの共通する特徴があると感じています。
まず、大抵の場合、自己本位、自己中心的であり、職場の環境や部下の様子に無関心です。他者の気持ちに思いを馳せない人も多くいます。また、一般的な上司であれば、チームの目標達成はメンバーと共に喜び、部下の労をねぎらうものですが、問題のある上司は、部下をねぎらうどころか、部下の成果を自分の手柄にしてしまうことも少なくありません。
その他、身だしなみやデスク周りの乱れなど、コミュニケーション以外の部分でも特徴が見られることもあります。
問題のある上司をさらに詳しく見ていくと、次の四つのタイプに大別することができます。
(1)部下の感情を汲み取れない「機械型」
(2)相手を「敵」と認識すると感情的に攻撃する「激情型」
(3)「自分の優秀さ」をアピールし続ける「自己愛型」
(4)部下を自分の出世の道具としか見ていない「謀略型」
どれか一つのタイプが独立して発現するというよりは、実際には複合型が多く存在しているという印象です。
また、それぞれのタイプについて、どこからが問題で、どこまでは問題ないといった境界は存在しません。
問題のある上司は、この先もずっと問題を抱えたままかというと、そうではありません。パーソナリティが過去の育成歴や環境によって形成されてきたように、これからどんな人生を歩むかによって、その人が変わる可能性はあります。例えば、自分の欲求がある程度満たされた環境にいれば、問題の傾向は弱まるかもしれません。反対に、置かれた環境が自分の欲求に反していれば、悪化しやすいでしょう。また、本人が自分の問題に気づける可能性も十分にあります。
今はパワハラへの問題意識が強く、上司本人のキャリアにも大きなリスクとなります。「もしかしたら自分はこのタイプかもしれない」と気づいた人がいるなら、ぜひ自分を見つめ直し、変わるきっかけにしていただきたいと思います。